一貫生産の強みを生かした丁寧なものづくり

2023/08/18

株式会社北本は、平成10年の設立以来、兵庫県養父市八鹿町でモールドコイルの製造・樹脂加工を行なっている企業だ。平成8年より、スリーボンドゴム株式会社より製造ノウハウと設備移管を受けエポキシ樹脂の真空成形を行っている。

今回は製品製造に関することや事業承継について、さらに従業員や顧客に対する想いについても、代表取締役の中俣さんにインタビューを行った。

中俣 匠(なかまた たくみ)さん
株式会社北本 代表取締役 令和2年に先代より事業承継し、代表取締役に就任。

 

モールドコイル・樹脂加工とは?

-株式会社北本が得意とするモールドコイルの製造ですが、そもそもどういったものなのでしょうか?

まず、モールドコイルの前に電磁コイルのご説明をしますね。
針金をらせん状に巻いたものをコイルと呼ぶのですが、これに電気を流すと磁力を帯びるんです。この特性を利用したのが電磁コイルです。
この電磁コイルは電子回路や、電磁力でスイッチのオンオフをしたりといった、主に機器の部品として使われています。

そして、モールドコイルとは、先ほどの電磁コイルを樹脂で包んで固めたものになります。そうすることによって絶縁性が向上し、
水中や低温・高温下といった過酷な環境での使用にも耐えうる製品になります。つまるところ、「安全で耐久性のある電磁コイル」といった具合です。

-なるほど、耐久性が求められる過酷な環境で使用されるような製品なんですね。
それでは北本のモールドコイルは、どういったものに使用されているんでしょうか?

弊社の製造するモールドコイルは、主に電車の開閉扉や、電子顕微鏡といったものに使用されており、大小サイズ問わずに製造させていただいてます。
また、製造については金型製造-コイル巻き-樹脂成形-製品検査まで、一貫して行っております。

-様々な用途の製品を製造されているんですね。株式会社北本の技術力の高さが伺えます。
一貫生産を行える強みについて、詳しくお聞きしたいです。

はい。弊社内で完結しますので、レスポンスよく工程を進めることができます。
また、万が一製品に問題が起きた後でも、徹底的な原因調査および改善につなげられる強みがあります。
弊社の製品検査は一般的な企業で行われる抜き取り検査*ではなく、全数検査*を実施しており、製品の不良率の低さも定評をいただいております。

*抜き取り検査:製品ロットの一部をランダムに抜き取り、ロットの品質を判断する検査。
*全数検査: 対象となる製品をすべてもれなく検査すること

-製品すべてを検品とはかなり手間のかかる作業ですね。

そうですね。しかし、社内一貫生産を行える弊社の強みでもありますので、しっかりと取り組んでおります!

 

事業承継について

-中俣さんが事業承継されるにあたって、どんな想いで会社を継がれたのでしょうか?

実は、先代は自分の代で事業をたたんでしまおうと考えていたんです。
しかし、創業からこれまで築き上げてきた技術や、お世話になっている取引先との関係性を終わらせてしまうのは非常にもったいないことだと感じたんです。
なので自分が引き継ぎたい、という想いで事業承継したという形になります。

 

株式会社北本の特徴・理念について

-株式会社北本の社風や理念があれば教えてください。

弊社は、経営理念として社会に貢献・社員に還元を掲げており、顧客に対して精一杯対応するというのはもちろんのこと、社員に対してしっかりと還元するということを大事にしています。
去年は作業室が暑いという意見が多数上がっていましたので、クーラーを2基増設しました。

-自分たちの頑張りが目に見える形となって還元されるのは、モチベーションにも繋がりますね。

そうですね。また、他にも弊社の特徴として、残業や休日出勤がゼロというものがあります。
仕事で精いっぱい頑張ってもらって、休日はプライベートな時間を過ごしてほしいと思っています。

 

株式会社北本の展望

-今後の展望はありますか?

はい。株式会社北本は先代から継いだ事業ですし、働いてくれている従業員やお客様方との縁を大切に長く続けていきたいと思っています。
また、私たちが住んでいるこの但馬地方では、年々廃業する企業や、後継者が居なくて困っている企業さんが増えてきていると肌で感じています。
私はそういった方々の助けになるような事業ができたらなと思っています。まだ明確なものにはなっておりませんが、業種問わずお手伝いができるようなことを考えています。

自社だけでなく、地域のことも気にかけておられる中俣さん。今後の株式会社北本の活躍から目が離せません。
また、株式会社北本の業務が気になった方は、ぜひ公式HPをご覧ください。