但馬の恵まれた食材に向き合えるお食事処

2023/06/23

道の駅「ようか但馬蔵」から近い場所にある、昨年6月にオープンしたお食事処「お箸紫(おはし)」さん。但馬の食材をふんだんに使用したメニューをおもてなしされている評判のお店です。お客さまに還元できる事を考えながら、常に新しい事に挑戦し続け、地産地消をコンセプトに日々邁進されている、オーナーの堂垣さんと店長の奥さまにお話しを伺いました。

食を通じて但馬の良さを知ってもらい、地産地消をより一層推進したい。

お店の食材は地産地消率85%を達成しており、生産者の方達の応援を受けながら地元食材を活用したメニューを提供されています。但馬の食材の恵みが季節ごとに入れ替わる御膳やおだがきさん家の八鹿豚のロースカツ定食は肉厚で評判!最近の考案メニューを堂垣さんに伺うと、
「季節によって但馬の豊富な旬の野菜が入ってくるので、その食材の魅力を伝えることのできる“せいろ蒸し”です!大屋のほうれん草や出石のキャベツなど採れたて野菜を10~15品目入っているので身体に優しく、楽しんで食べていただきたいです。1日に必要な摂取量の2/3の野菜が食べられるんですよ。地面から近い距離感でゆだねていただいている新鮮なその食材を届けられたらいいなぁと思いながらお出ししています。」
とのこと。

野菜のうま味たっぷり!確かに、せいろ蒸しだと沢山お野菜を頂くことができますよね♪そして、何より色鮮やかな野菜たち!素材に愛情を感じます。
バイタリティーあふれる堂垣さん、生産者の方とのネットワークはどこからくるのかお聞きすると、お店の定休日は積極的に足を運び、生産者の方と交流を結びながらずっと食材探しに奔走されておられるそうで、
「運営している私や頑張って配膳しているスタッフ達は生産者さんの想いを背負う責任を持っています。“僕のせいで美味しくないにしたくない。”日に日にその気持ちが増していて僕の原動力はそこなんです。でもね、、、寝る間も惜しんで働いていますが、ぜんぜん痩せないんですよ(笑)どうしてかな。皆に言われるんですけどね。」
ふくよかで、常に笑顔を絶やさない堂垣さん。とてもお忙しくされていますが、充実した日々を送っておられるのが表情に表れて印象的でした。

但馬は特別なぐらい、豊富な食の宝庫。

「生産者さんの想いって出荷して終わりではなく、農薬を減らしてみようかな。自分の子どもや家族が安心して食べられるのかな。と日々挑戦しながら作っておられます。ご苦労されているお話を聞いて、現場を見ているからこそ捻出してお料理をお出しする事ができるので農家さんとの繋がりって必要です。お陰様で、日に日に生産者さんも広がって、うちのお店の食材は豊かになってきています。」
自ら足を運んで生産地をみているからこそ、但馬の食材が豊富である事も再認識されたそうで、これから食材が重要になってくる時代。名前を謳える食材があり、その先に地産地消が85%達成しているのは、生産者さんと分かち合い、寄り添っておられるからこその現れなのでしょう。
開店以前から生産者さんとのお付き合いがあったのでしょうか?
「開店する前は神戸でサラリーマンをしていて、テナントが空いたお店のお話をいただいたタイミングで家族と共に帰郷しました。最初にアプローチした生産者さんは、八鹿豚のおだがきさん、淨慶米穀さんに突撃でお話しをしました。“それだけ熱心にしているなら、協力するよ。”と言ってくださり、自分たちで足をはこんで生産者さんに直接会って委ねていただける仕組みならできる!と手応えを感じました。今では沢山の生産者の方々に協力してくださっている事に大変感謝しています!」
堂垣さんは但馬農業高校畜産科が出身校。食の大切さを学ばれたこの土地でお店を開店できたのに深い縁を感じ、お店に地元の方や観光の方に但馬の食でおもてなしをしたい気持ちがより強くなり構想は広がります。

「道の駅で車中泊される方やホテルを利用されている方にも、温泉へ入って、食を楽しみに来られる方がここで食事をしてくれたらいいなと思っています。野菜が美味しかった!お肉が美味しかった!自分で作ったわけではありませんが(笑)嬉しくなっちゃいます。また、食事の素材の醤油やお米など知ってもらえるようマーケット要素もあるお店づくりをしていきたいですね。」
店内に、お土産物としてお醤油やお米の物販がありますが、今後拡充して、触れて、もっと知ってもらいたいそうです。お箸紫さんオリジナルの商品開発も今後は予定されているそうなので、こちらも楽しみですねー。

お店の生産者さまとお客さまとをつなぐかけはし そこは、贈り物を渡し合う場所

堂垣さんの奥さまは香住のご出身。店内には香住の銘柄のお酒が沢山並んでいます。店名はご夫婦で考えられたそうで、
「食材を口に入れる時にお箸を使うのですが、生産者さん(お箸)とお客さま(口)をつなぐ架け橋という言葉の意味合いも含め“つなぐ”のが私達の役目。そのお箸に色をつけたくて但馬の食をフォーカスしてほしくて日本の高貴な色の紫をつけました。」
さらに、ロゴの色に込めたグラデーションの意味はお客さまに寄り添いながら、お箸紫の紫、赤紫、青紫にもなれるよう進化続ける意味が込められています。日付が変わる夜中まで店名について話しあったそうで、お二人のロゴに込められた熱い想いが強く伝わってきます。 “お箸紫”何て読むのかを聞かれる事も多いらしく、それも話題のきっかけにしていただけるとありがたいそうです。※ロゴを斜めからみると平仮名の「お」になっています、来店された際には是非チェックしてみてくださいね。

「今後は時代にあった要望や世の中の動きのニーズに合ったかたちに進化できるようなお店であることと、生産者の方に委ねていただいている事自体素晴らしいので、食材があるべき姿で提供されて、生産者の方に泥を塗らないようにする事が私達の課題です。」
地元の食べものを自信と責任をもって伝える堂垣さんご夫婦は養父で取り組めた事や、便利になっていく立地を生かしながら、地元産の素材を地元のアイデアと技術で加工し、特産品を作る事を目標にする事も語っていただき、とにかく話が尽きません!進化し続けるお箸紫さんがますます楽しみです。